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仲介手数料、税込15万円
ついこの間あった話
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税込15万円の仲介手数料の話
つい先日のこと。
知人から、不動産のご購入希望者をご紹介いただきました。すでに複数物件をお持ちで、今後も積極的に買い増ししていくご意向。今回検討されていたのは価格200万円以下の物件で、弊社への仲介手数料は税込15万円でお願いしたいというリクエストでした。
低廉な物件と仲介手数料のルール
昨年7月の制度改正により、空き家増加への対応として800万円以下の不動産については、仲介会社が税込33万円(=税抜30万円)まで報酬を受け取れる特例が認められました。
つまり1円〜800万円の物件であれば上限は一律33万円(税込)ということです。
今回のケース(200万円以下)でも、本来はこの33万円(税込)が上限となります。
そこに対し15万円(税込)というご要望でした。
なぜお断りしたのか
結論から言うと、大変申し訳ないのですがお断りをしました。
理由はシンプルで、適正な品質と責任を担うために必要なコストに見合わないと判断したからです。
仲介は「紹介して流すだけ」の仕事ではありません。たとえば——
- 物件調査(役所・法令・インフラ・登記・過去履歴・管理状況 等)
- 売主側仲介や管理会社、賃貸・建物の各管理会社との綿密な連携
- 重要事項説明書(重説)・売買契約書の作成と説明、手戻り対応
- 司法書士とのスケジュール・必要書類・決済段取りの実務調整
- 引渡しまでのトラブル未然防止と是正
- そして、万が一の際に問われる責任(契約不適合・説明義務 等)
こうした実務は案件の大小にかかわらず発生します。
仮にトラブルが起これば、15万円を超えるコストや時間、リスクを一気に背負うことになり、結果として他のお客様へのサービス品質を下げかねません。
だからこそ、中長期でお客様全体の価値を守るという観点から、今回はお受けしない判断をしました。
それでも残った「感謝」と「葛藤」
ご紹介案件は本来、ぜひお力になりたい。売上を積み上げたい気持ちも当然あります。
だからこそ、丁寧に事情をお伝えしたうえでのお断りは、正直に言って悔しさもありました。それでも、適正な報酬と責任のバランスを崩さないことが、結果的にお客様の利益を守ると信じています。
REALISSの方針
- 品質最優先:調査・説明・連携・安全な決済運営を徹底します。
- 適正報酬:必要な工数と責任に見合う対価で、再現性のある良い仕事を提供します。
- やらないことを決める:品質を落とす案件は受けない。短期的な数字より、長期の信頼を優先します。
「何のためにこの事業をしているのか」。
この問いを、これからも繰り返し自分に投げかけながら、理念に沿った意思決定を続けます。
ご理解いただけますと幸いです。今後とも、誠実に、丁寧に。
引き続きご相談は、どうぞ遠慮なくお声がけください。
以上
株式会社REALISS
大島 航汰